植物、花々を愛するくらし

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植物、花々を愛するくらし

春夏秋冬、四季が豊かな日本。
おおよそ3ヶ月毎に季節が変化し、その時々の草花や食材を楽しむということを、自然と生活の中に取り入れその土地に住まう人々の文化として育んできました。

そんな季節の移ろいを、日本人は古くから関心を持ち、行事や風習に取り入れ日々の暮らしに活かしてきたのです。
 春になれば、美しく儚い桜が咲き誇り、桃の花を添え、5月には菖蒲湯に浸かり、7月には七夕の笹に願いを括り、8月には盆花をお供えし、秋には七草を味わいススキを飾り、正月には門松をたてます。



 その昔、「暦」は、季節やその時々の太陽の陽の挿す量を、春夏秋冬の中で分け、それをさらに1つの季節毎に6つに分けた二十四節気というものをつくりました。
さらにその二十四節気の1気を3等分した七十二候があり、その七十二候を、花の開花や虫や鳥の出現など、動植物の行動や変化を短い言葉で表現し、私たちが生きる糧となる農耕の指針とすべく取り入れていったのです。

例)季節のこよみ 七二候 「第2候」
【黄鴬見睨】うぐいすなく
2月9日から2月13日までは、七二候の第2番目にあたり、うぐいすが山郷で鳴き始める時期です。

例)季節のこよみ 七二候 「第16候」
【葭始生】あしはじめてしょうず
穀雨(4月20日から5月5日)は二十四節気の第6番目にあたり、田畑の整備が整い、穀物の成長を助ける慈雨の季節です。

くらしの中で植物を活用する

昔から人々はくらしの中に、身近にある植物の特性を活用し、より便利で豊かなくらしの材料としてきました。


【藁(わら)】
稲や麦の茎を干したもので、藁は柔らかく強靭で、通気性・耐水性に優れており、加工がしやすく昔から身近にあったものなので、生活の中に溶け込み、深く結びつきながら衣食住の各分野で利用されてきました。

例えは、「衣」では、藁の草履や甚兵衛など、「食」では米が採れる稲そのものや、納豆をや食品を包む包装材として。特に「住」分野では多くの場面で使用されてきました。荷物や建材を束ねる縄、藁葺き屋根、藁を編んで敷物にした藁座(わらざ)、藁の繊維を三又やコウゾと共に混ぜて漉いた藁半紙(わらばんし)など。

【よもぎ】
成長したよもぎを採取して、燻して、現在の蚊取り線香の様に防虫剤として利用。また、よもぎは生命力が強く、荒地にも生息することができるため、生活の身近で採ることができました。よもぎは鮮やかな色付けと、春を感じさせる香りが好まれ、薬効成分も含まれるため、人々に親しまれ、よもぎ饅頭の様に食べ物としても広く活用されてきました。

【柿渋】
柿渋は、柿の熟していない青い状態の果実を砕いて絞り採った液体を採取し自然発酵、または時間をかけて熟成させることで、タンニンを醸成させます。柿渋のタンニンには、防水効果や防腐効果があり、じゃのめがさや木の器に、補強効果や防虫効果などがあるため建材などに。また、塗料や染色剤としても昔からの人々の知恵として活用されてきました。柿渋は漆(うるし)と共に、日本において古くから自然塗料として使われてきた歴史を持っています。

【ドクダミ】
現代では清涼飲料水などで目にすることもあるドクダミ。日本全国や東南アジアが原産地のドクダミは、湿気の多い日陰を好み、白い地下茎で群生します。全体に強い臭気があり、古くから民間薬として利用されてきました。また、食用としても揚げ物料理やあえもの、葉を乾燥させてドクダミ茶としても楽しまれています。さらに、生薬としても活用されており、利尿作用や美肌効果も期待できます。

 この様に、日本は古来から動植物と共にくらし、その力を借りてくらしの知恵として「生きること」に活用してきました。生命を育むための「食」を得るということは言うまでもありませんが、これだけ生活全般に浸透していると言うことは、その偉大さを感じざるを得ません。
 
 戦後の急速な復興と発展を遂げ、現代という文明を築いてきた日本。ただ、現代社会は文明の強い光で見えづらくなっている部分もおおいにあるのではないでしょうか。

 先人が、芽吹き、花を咲かせ、大地に還っていくという、まるで庭に咲く草木のように大地と共に生きながら学び、自然の声に耳を傾け培ってきた「生活の知恵」に今この時代だからこそ立ち止まり、目を向ける時間を作ることも必要なのかもしれません。

AUROと植物科学

 AUROは1983年の創業から40年以上にわたりサスティナビリティ(持続可能性)を追求してきました。

 日本国内においては、「SDG’s」という概念の登場により、社会への貢献や環境の配慮を軸とし、企業としての価値を高める施策が多いのが特徴です。一方では海外では、事業そのものを社会や環境と統合し、持続可能な施策による社会的な支援を目指すスタイルが基本となっています。

 サスティナビリティの由来とも言えるのは1987年に国連の機関である「環境と開発に関する世界委員会」で発表した報告書の「持続可能な開発(Sustinable Development)という概念です。
AUROでは、国連機関の発表の前からその活動に着手していたことになります。

 当初AUROの創業者のヘルマン・フィッシャー博士が、石油を一切使わず完全にオーガニックで再生可能な天然素材だけを原料に日用品を生産する「サスティナブルで環境で優しい化学」を掲げたのです。

 先述した、“地球の中で生きる”ということに一足も二足も早く着目し、活動を行ってきたのです。


生活との調和


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